キンモクセイの花が散り水俣・白河展

2011年10月29日

中華こうなん おじさんの深い話


私が長年通うお店、また行きたいなと思うお店はふたつ
そのひとつ 中華こうなん

野菜たっぷりで、めちゃ旨い!

これは、パイコー飯
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中華こうなんが11月末で閉店になるという

あいよのおじさんに「さびしいです」というと
(注文を聞くと、「あいよー」というから)

「もう体力の限界だ」という。

おじさんが次々に話してくれたことが、
ひとつひとつそのとおり。(以下要約)


「職人を育てるには時間がかかるんだ」

「汗水流して仕事を覚える。今それをやろうとする若者はいなくなったよ。
親も苦労する仕事はやめろというだろ」

「今外食は、牛丼とか、◯◯(チェーンレストラン名)とか、
本当に旨い!と思うのではなくて
お腹をいっぱいにすることが主流になってしまった」

「まわりをみてごらん。街は変わったよ」

「デパ地下で一番売れているのは、総菜だよ。
完成したものを買う時代になってしまった」

「働く対価が低すぎる。なんでも中国。今はベトナムまでになってるよ」

「なんでもアメリカの真似をする」

「今、総理大臣が次々変わって、民主党はだめだというけれど、
自民党のときだって、次々変わっていたんだから
民主党が問題なわけじゃない(問題は別にある)」

「飲みに行っても、社会のこととか真面目な話をすると、
酒がまずくなるからやめろといわれる。
ありきたいのない話をしてる。
坂本龍馬は命がけで話をしたよ」


私は、おじさん世代の人たちといる機会は格段多いと自覚してるけれど、
この社会を作ってきたのに、
今悪いことをひと事のように言っている人がようよういる。

おじさんは毎日毎日、立ち仕事
暑い厨房に立って、中華鍋をふるいながら
本当に大切なことを
その身をもって示す
そうして今、こうして話してる

おじさんはいつもお客さんがいっぱいで、忙しいし、
会話らしい会話なんてしたことはなかったのだけど、
話を聞いていて、すごいなあとしみじみ。


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でも、やっぱりこんなに美味しいのにざんねん


「やめるのも大変よ」とおばさんが言う

「まだ1カ月やってるからねー」と
おじさんは言った。


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2013.1 追記


その後、
閉店間際、行列を待って、家族で食べた。

一緒に食べに行ったことはこれが初めてで
それぞれに通っていた、中華こうなん


・・・
それから一年
中華こうなんが無くなってしまったのをみるのが
なんとなく嫌で、あの道を通らなくなった
(もともと中華こうなんに行くためしか通らない道ですが)

メガネを新調しに行ったので
今、どうなっているかなと寄ってみた

そのままの外観
中華料理や 
名前は「美江南(みこうなん)」

誰か引き継いだのか?と思ったり
迷ったけど入った

店に入ってすぐ、違うとわかった
(日ノ出町の中華屋さんが移転してきたそうです)


でも居抜きなのでほとんどそのまま
「こうなんそば」とか「中華こうなん」と同じメニューもある

いつものカウンター席に座って
かたやきそばを食べてみた
やっぱりちがう、かたやきそば

違う店なので当たり前だけど
違う店として、味はイケてた

ふと振り返るとお店が広くなっていて、おどろいた
帰りにガムをもらうこともない

違うお店として
ここに構えたハードルの高さはあるだろう
また来てもいいかなと思うけど

忙しそうに鍋を振るおじさんがいないのは
やっぱりさみしい










sorayuki_1 at 00:08│Comments(0)TrackBack(0) ほっこり生活 

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