NO RAIN NO RAINBOWネパールの植物

2004年08月02日

豊かさとは何か

4b98dea5.JPG


カトマンズのレンガの茶色い建築物。交通渋滞。
熱気、匂い、人々とのやりとり。
カトマンズは私が想像していたよりずっと
活気に満ちた都市だった。

その細かな美しい彫刻も
屋根に草が生え、苔を張り、お疲れ犬が寝転ぶ
生活の一部として存在することがなんとも素敵。
そしてポカラへ行く道のりの
その広がる田んぼの美しき景色。山々の稜線。
沢山の表情を持つひかれてやまない国。
当たり前だけれど、一度の訪問でわかるわけではない。

観光客、しかも団体なので、
その売り込みたるやスゴかった。
日本語巧みに話しかけてくる。
子どもの物売りも多い。
「1ルピーをちょうだい」と
手を伸ばす子どもや赤ちゃんを抱えた母親。
「I'm sorry. I have no money」
何度言っただろう。
お金を持っていないはずもなく。
ただ、ギータさんの言うように
物乞いをするのではなく生きて欲しいと。

物価は日本の5分の1くらいカナ。
私たちは団体観光客。
泊まったホテルは最高級で、この滞在中ホテルの宿泊代は、
多くのネパールの人が1年間働いて得る賃金を
越えるだろう事実。
美味しい食事も食べ切れずに沢山残してしまった。
本当にごめんなさい。
施設を訪れ、思い巡らせながもこのホテルに戻る。
自分ではどうしようもないことなのだけど、
ひっかかって仕方がない。
世界最高峰のエベレスト。
この国の何人の人が
その姿を間近に見れる機会があるというのだろう。

チベット村の家庭、まだ残るカーストの最下層の人々の家庭。
訪問し、カメラを向ける。
自分がその立場でヒョンときた外国人に
カメラを向けられたとしたらどうだろう。
いたたまれなくなって部屋をでた。
本来なら、決してフィルムに収めることを目的とせず、
その人と仲良くなって、部屋に招かれて知る...
ということになるのだろうが、
今それが叶う状態でもなく、
だけど何もそこに触れずに観光していたいわけではない。
また、
ネパールの人々が日本人と比べてプライベートというか人に対して
オープンであるのかもしれないな
とも思って自分を落ち着かせた事実。

ネパールと日本を比べるだけでは仕方のないこと。
すべてをひとつの価値観で考えるのは間違っている。
けれどそのことを知り、受けとめ、
ネパールで、日本で、自分に何ができるのかを。
子どもや行き交う人々の表情の豊かさや目の輝き。
何をもって豊かさというのかを思った。



photo / いっとうお気に入りの建築物(Patan パタン)




at 05:31│ Nepal  
NO RAIN NO RAINBOWネパールの植物