2004年11月
2004年11月29日
やんばる
やんばるまで、車を走らせる。
茅打ちバンタで碧色の海をみて。
青い朝顔。
辺戸岬に立つ。
なんでこんなに岬に立つことを望むのだろ。
やんばるの森は続く。
足早に走らせる車。
ロープをつたい岩場を降りていった先に、滝のほとり。
大きなシダ植物。緑色に囲まれる。
マングローブ林にハクセンシオマネキに、とんとんみー。
かわいい♪
小さい、たくさんのいのち。
ほら、ヒルギの種がまたこの砂に落ちて、
此処に新しい生命。紡ぐいのちの環。
辺野古の海を訪ねる。
その現実をこの目で見たかった。
テント村がある。幟を掲げた船が渡る。
ちょうどオレンジに染まる海。
なんて話していいのかわからなくて、
会釈をして折り返す。
いろんな考えがあることと思う。
けど、
この美しい海がこのままであってほしい。
ジュゴンが住むという宝物の海は、
一度壊したらもとには戻らないのだから。
2004年11月28日
十六夜 母なる大地に環たる声
本島に着いて、やちむんの里へ。
登り窯。その存在感。土に触れるということ。
焼成の時を思い浮かべる。みてみたいなあ、炎。
お皿を買った。3枚。
揃いを買うのは、はじめてだ。
実家は、いつも3枚組。
そんな優しさを自然に受け入れることができる今に。
謝謝。
やちむんの里の向こうには、座喜味城跡。
入り日は、城の壁の向こう。海に天使の梯子が架かる。
岩と岩を積み重ねた、ほんの少しの隙間から。
空に向かってみどり。夕刻は虫の声。
石壁のアーチをくぐって、広がる円。
それだけでなんだか胸がいっぱいになります。
ボロットさんが静かにみつめてた夕暮れ時。
夜が更けゆき、
ボロットさんの喉声が星の下にひろがる。
ひざを抱えて、耳をすます。
巻上さんのテルミンを奏でる手が、
城壁に大きな影になって揺らぐ。
東から、だんだんと十六夜の月。
満ち足りた月が、静かにまた、城壁に囲まれた円を照らす。
きれい。とてもきれい。
2004年11月27日
月と虹と碧の海
4:30AM。まだ星が瞬いている。
西の下の方にまんまるの月。
始発のホーム。
電線をだんだんと下がっていく月をみた。
南へ向かう空。雲の上より。
飛行機は虹のなか。
船に乗り、渡嘉敷島へ。
田んぼは、もうしばらくの休み。
畦には、黄色の背のたかい花。
ニワトリやイノシシや。
草むらにヤギ。こっちをみてます。
人のいないビーチで、珊瑚のカケラ。白い貝殻。
拾っている間に、
さーたーあんだぎーは、カラス。...ざんねん!!
岩場の上より、青空と波の音。碧の海。
のんびり。とてものんびり。
今や、これからを思うと
なんだかワクワクとする気分になる。
島のお百姓さんや、おかみさん、おとうさん。
畑しごとをしているおばあたち。
其処に根を張り毎日を生きている。
じゃあ、私は?
そのことが私を少し複雑な思いにさせるけど
だけど、「よく来たね、またおいで」
そういう心地よさを持ってる。
渡嘉敷は、ココロに還る島。
2004年11月18日
カイ
アルタイの空は、地球の蒼。
大地に響くカイ。
その喉歌。幾重にも重なる低音。
聴き終えて、雑踏の雨降る夜。
なんていったらいいのかまだわからない。
あの声が突然にひびいて、こわい気持ちがした。
カイは神様の声みたい。
アルタイの大地と空に、響き渡る声をおもう。
大地を揺るがし、大気を充たす。
人という存在を憶う。
私、アルタイの空の青をみてみたい。
アルタイの喉歌「カイ」
宇宙の命脈 ボロット・バイルシェフ in Japan 2004